2008年5月16日金曜日

1X07A031 及川輝 A++







ひとり暮らしのの殺伐とした生活が、描かれている。どのシーンにも空が青くぬられている。空とそれ以外の風景の対比が都市の空虚感を引き出している。中央に描かれた携帯電話の電波状況は、何か意図的なメッセージであるのかもしれないが、あまりに唐突な感じがする。学生生活に少し疲れた感覚があるのだろうか、前向きに進んでほしいものである。(日置)

1X07A186 横田圭洋 A++







安田生命ビルが空き地のように立ち上がる。その下に人々の生活がある。眼に輝きが感じられない。午後過ぎた車内に一人、光が溢れる。遥か彼方のビルの間に陽が沈んでいく。夕陽の光が溢れる様、豊かに実りある様に都市の人々の光景が空虚に感じられてくる論理。黒幼く塗りつぶすように描くタッチが、存在感を強めている。(入江)

1X07A114 竹花洋子 A++







鉄橋からの夜景であろうか、車しか走らない大きな道路に都市の無機的な雰囲気が伝わってくる。パステルのような表現が全体の印象をうまく特徴づけている。するどい構図で描ききっているところがすばらしい。車が光のみで描かれているがどこか、生命感を感じてしまう。描かなくても良かったかもしれない。ヨーロッパの空港にひとりで到着したときの感覚と似ていると感じるのは私だけであろうか。(日置)

1X07A097 白石佳織 A++







夕暮れ時の薄ぼんやりとした風景に都市のなかの空虚感を見出している。鉛筆描きに、水彩の様々な色合いが滲んだ様は美しく、暗闇のやわらかい風情を伝えている。(箕原)

2008年5月14日水曜日

第二課題 都市の中の空虚

都市は膨大な人々の生活を飲み込み、複雑に絡みあった組織体として存在している。
その複雑さを単純化して理解することなど不可能だろう。
なによりもまず、我々自身がその中にすでに取り込まれているのであって、
その組織体の細胞なのだ。
学業、労働、消費といった活動も、我々の住居も、学校も職場も、バスも電車も、
道路も車も、全てが都市を形成する微細な細胞である。

そんな生活の中で、ポッカリと、自分だけがこの巨大な渦の中から離脱したような感覚に襲われたことはないだろうか。そんな感覚を思い起こしてほしい。
そして、そのような感覚にとらわれた場所を再発見してほしい。

そのような感覚にとらわれたことのない人は、そのような感覚を呼び起こす場所を見つ出してほしい。

自ら懐いたその感覚が伝わるように、その「場所」を克明に描くことが今回の課題である。
社会的機能や意味を超越して、その「場所」が発しているauraが、
濃密に感じられるような作品を描き出して欲しい。

出題者:池村

提出物:手で克明に描いたドローイング、規定用紙(275×275mm)4枚以上
    (表紙含めず。ただし表紙は必ず付けること。)



出題:2008年4月23日
提出:2008年5月7日
講評:2008年5月14日

A1GO6D801 馬場雅博 A+++







スリットから射し込んだ光、あるいは周囲の風景が、箱の内部で淡い色調とともに薄らと混ざり込む。比較的単純な構成によって複雑に曖昧で映像的な世界を醸し出している。(箕原)

1X07A080 斉藤亜紀子 A++







横側に開けられた、瞳にとってほとんど見えるか、見えないかぐらいの小さな穴から覗くと、ぼんやりとピンク色が見える理由は分かるのだが、それに滲んで緑や青が見えるのが一瞬、不思議に思う。露出されている構造を見て始めて、内部の反射のみによる光の効果が理解できる。(箕原)