その複雑さを単純化して理解することなど不可能だろう。
なによりもまず、我々自身がその中にすでに取り込まれているのであって、
その組織体の細胞なのだ。
学業、労働、消費といった活動も、我々の住居も、学校も職場も、バスも電車も、
道路も車も、全てが都市を形成する微細な細胞である。
そんな生活の中で、ポッカリと、自分だけがこの巨大な渦の中から離脱したような感覚に襲われたことはないだろうか。そんな感覚を思い起こしてほしい。
そして、そのような感覚にとらわれた場所を再発見してほしい。
そのような感覚にとらわれたことのない人は、そのような感覚を呼び起こす場所を見つ出してほしい。
自ら懐いたその感覚が伝わるように、その「場所」を克明に描くことが今回の課題である。
社会的機能や意味を超越して、その「場所」が発しているauraが、
濃密に感じられるような作品を描き出して欲しい。
出題者:池村
提出物:手で克明に描いたドローイング、規定用紙(275×275mm)4枚以上
(表紙含めず。ただし表紙は必ず付けること。)
出題:2008年4月23日
提出:2008年5月7日
講評:2008年5月14日