2008年11月26日水曜日

1X07A071 癸生川 まどか A++







「アルベール」が広場に歩み始め、おもむろに手を上げる。世界に自らをさらけ出すように。その後姿は女主人の眼が、求める手が見たものであり、塗りつぶされたクレヨンの闇に鈍くひかる街の灯のけがきが、行き場のない深く重い旋律を奏でるのである。秀逸な表現が好ましい。(入江)